人を許せないのは、その時にちゃんと怒れなかった、本音を言えなかった、我慢してしまった、相手を責めれなかった。
その情けない過去の自分に対して、怒っているんだなと気付いた。
そして、いつしかそれが恨みに変わり、許せない感情として残り続ける。
でも、その時は怒るのが怖かったし、揉めるのが怖かったし、ハッキリ言ったら大変なことが起きるんじゃないかと思っていた。
だから何も言えなかった。
人を許せないというのは、結局自分が許せない、あの時嫌だとハッキリ言えなかった自分が許せないだけ。
許すとは、相手を通して自分を許すことなんだなぁと。
お母さんに支配されていた時、本当は嫌だと言いたかった。
これなら、児童養護施設で育った方がよっぽどマシだったのではないかと何度も思った。
家から締め出されたり、置き去りにされた時、来てくれた警察官に、本当は「助けて!」と言いたかった。
本当に許せなかったのは、お母さんじゃなくて、自分の気持ちを正直に言えなかった過去の自分。
全ての感情に蓋をして、平気なフリをしていた自分。
きっとあの時、本当はこの世からもう消えてしまいたかった。
スキゾイドちゃんは、私を救ってくれた。
人は感情を消したら淡々と生きていけることを、スキゾイドちゃんが教えてくれたから。