これはアダルトチルドレンにとても多い思考なのですが、「親が死んだら幸せになれる」と思っている人が結構います。
親さえいなければ、親さえ死んでくれたら、やっと自分は幸せになれる。
特に恋愛や結婚は、自分が幸せな結婚をして子供が出来たりすると、孫が生まれることで、親も幸せになってしまうため、それを回避しようとして、幸せにならないように必死で自分を止める人がいます。
これは非常に危険なので、この思考が強い方は気を付けてください。
「今好きな人がいるけど、親が生きているうちは結婚はしない。親が死んだら結婚する。」
この手の発言をする人に何人かお会いして、恐怖を感じました。
これの何がまずいのかというと、これらは全て回避思考だからです。
親を避けたい、問題を避けたい、自分が幸せになることも相手を幸せにすることも避けたい。
全部、思考が回避になっているんです。
日々こういう考え方で生きていると、病気になります。
心がやられるか体がやられるか。
もしくは両方か。
これが深刻になれば自殺しかねないくらい、心と体が蝕まれていきます。
今の時代、人生100年時代と言われていて、親は自分が思っている以上に長生きします。
親が死ぬのを待っていたら、あっという間に自分も50代、60代になっていきます。
そこから人生を取り戻すだけのエネルギー残ってますか?
中高年になってから、理想の相手と出会い、結婚して幸せになった人がどれくらいいるでしょうか。
データを見るとわりと愕然としますが、心の問題を抱えている人が自分の親が死ぬのを待ってから、幸せなパートナーを手にするのは、よほどの奇跡が起きない限り難しいです。
なぜ、そんなに親を回避したいんですか?
何のために親が死ぬのを待ってるんですか?
その本当の目的は何ですか?
これはとても重要な問いです。
親さえ死んでくれたら、その後にやっと自分は幸せになれると思っている根拠は何ですか?
これをずっと自分の脳に問い掛けていくと、親を回避したい本当の理由が出てきます。
親が生きているうちに、自分が幸せになったら、一体何が起きるんですか?
親から何を言われるんですか?
本当は何が怖いんですか?
確かに親によって、人生を詰んでしまったかもしれません。
でも、自分を不幸にすることで復讐しなくてもいいでしょう?
親に何を隠してるんですか?
何を言っていないんですか?
何を我慢してるんですか?
そこを理解せずに、物理的に親という人間だけが死んでも、心の中の苦しさは残り続けます。
私もずっと向き合わなければならない心の問題を長年放置して来ましたが、その結果、ついに身動きが取れなくなりました。
40歳で倒れて、身体表現性障害で一年間、寝たきりです。
親さえ死んでくれたら。
今起きてる問題さえなくなってくれたら。
そう考えるのはわかりますが、親が死んでも問題がなくなっても、そこに出来るのはただの空洞で、それをプラスに変えていくのは自分自身です。
親さえいなければ、もっと私の人生は違っていたのに。
親さえ死んでくれたら、事態は好転し、今までの人生が報われるのに。
この思考の中心にあるのは、いつも親です。
自分は二の次なんです。
しつこく問います。
何のために親が死ぬのを待ってるんですか?
その本当の目的は何ですか?
こういうワークを淡々とやっていくのが内観です。
問題と真摯に向き合えば少しずつ回復します。