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内観の記録。その他。

理想の死に際

私は今、人類の幸福について色々と考えるコミュニティに入っているのですが、そこで今回出されたお題が面白かったので、わりと真面目に回答してみました。

 

そのお題というのがこれ。

「あなたの理想の死に際について教えてください」

 

そして、私がそのコミュニティに投稿したコメントが以下。

 

 

私は時間は未来から過去に向かって流れていると考えているので、人生はまずどう死ぬかから決めて、そこから逆算して現在に向かっていると考えています。


なので、自分の理想の死に際は、お葬式も含めて全てシミュレーション済みです。

 


この死に際を決めるという作業をやったのはちょうど40歳の時で、その時私は想定外のミッドライフクライシスで倒れて、ほぼ寝たきりの状態になっていました。


鬱と原因不明の不定愁訴で体が全く動かない。

 

毎日ベッドの上で天井を見つめていると、同じようにミッドライフクライシスで倒れた同期たちから、「DIE WITH ZERO」という本と、スティーブ・ジョブズの「最後の言葉」が回覧板のように回ってきました。

 


そして、このジョブズの「最後の言葉」の一文が私の人生を大きく変えることになります。


『私が死ぬ時にあの世に持っていける物は、愛情に溢れた思い出だけだ。』

 


私はそれまでよりよい人間になることだけにフォーカスし、普通の人なら到底真似出来ないハードモードな人生を送ってきました。


文字通り、成功やお金や知識やスキルなどを淡々と積み上げて、温かい思い出や愛や家族などは自分には必要ないと思っていました。

 


でも、ジョブスの言葉をきっかけに自分の人生を全て内観することになり、そこで気付いたのは、この世で最も尊い人生の経験は「誰かを本気で愛した記憶」「そして誰かから本気で愛された記憶」以外にはないのではないかという結論でした。

 

愛情に溢れた思い出は一人では作れません。


一人旅も楽しいかもしれないけど、誰かと触れ合って愛と共に過ごした思い出。

 


この思い出が最後死ぬ時にどれだけあるかで幸福が決まるのではないかと、最近は思っています。

 


私は40歳から人生を大きく方向転換したので、残り時間がどれくらいあるかわかりませんが、今ならまだ間に合うと思って、愛やパートナーシップ、家族というものを残りの人生で最も大切な位置づけにし、そのために行動し、最後愛情に溢れる思い出をたくさん持って死んでいけたら最高に幸せだと思っています。

 

 

青字の部分が投稿したコメントなのですが、多分これを書くのにかかった時間は5分くらいです。

 

普段から、死に際については明確にイメージをしているので、日頃から思っていたことをそのまま書いたのですが、正直これを見た方がどう感じるかは全くわかりません(笑)

 

 

ただ私は、この死に際のイメージを本当に明確に持っています。

 

なぜなら、それをやらざるを得ない環境に無理矢理、放り込まれたからです(笑)

 

 

人生は死から逆算して決める。

 

これも、認知行動療法を進めていく中で知ったことです。

 

まずどう死にたいかを決めてから、今の自分を構築する。

 

 

この感覚が腑に落ちると、人生が本当に変わるんですよね。

 

マズローの欲求5段階説も、まず一番上の自己実現欲求から最初に埋めていく。

 

 

つまり流れは全部逆なんです。

 

時間は未来から過去に向かって流れている。

 

 

これはラグビーの「ハカ」の歌詞でも顕著ですよね。

 

「ハカ」の歌詞を見ると、「私は死ぬ!」から始まっている。

 

先に「私は生きる!」ではないんです。

 

 

まず死から始まる。

 

この感覚を持っている人は、将来の不安なんかないと思います。

 

だって先に死んでるんですから。

 

 

ほんの4年前くらいまでの私は、「思い出なんか作ってどうするんだ。それが人生の何の役に立つの?」と本気で思っていました。

 

それくらい、愛とか家族とか思い出とか、そんなものは人生において無駄だと思っていた。

 

 

それよりも、より素晴らしく完璧な人間になることが是だと思っていた。

 

それがたった4年で別人のように変わった。

 

 

私の口から「家族」とか「愛」なんて言葉を肯定的な意味で語る日が来るなんて、自分でも全く想像していませんでした。

 

でも、だからこそ思うんです。

 

 

私、この歳になって「はじめてのチュウ」を聴いて泣いたんです。

 

本当に冗談抜きに「やった、やったよー!」みたいな淡い恋愛体験が、死に際に最高の思い出として走馬灯に出てくると思うんですよね。

 

 

涙が出ちゃうんですよ、男のくせに。

 

この尊い感覚がわかるまでに、私は40年かかったんです。

 

 

人生とは、自分が何を大切にしてきたかが、人生の最後に全て反映される。

 

生きるってそういうことです。

 

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