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母親の厳しさは負の遺産になるのか

私はこの4年間、自分と同じような育てられ方をした人の事例をたくさん集めてきました。

 

自分と同じようなパーソナリティを持った人が、どのような人生を生きているのか、そしてその人たちが本当に幸せなのかを知りたかったからです。

 

 

今から18年前に知り合ったTさんという女性がいます。

 

彼女も母親に私と同じような育てられ方をした人でした。

 

 

以前彼女がSNSで書いた文章があります。

 

これを読んで私と全く同じだなと思ったので、本人の許可を得たうえで、以下転載します。

 

 

(ここから)

 

昔から悔しがりの負けず嫌い。


私は結果が全てという厳しい母親に教育された。


甘やかしてもらったり、抱っこや手を繋ぐことさえしてもらったことはない。
 

ただひたすら厳しかった。

 


勉強しなさいと言わない代わりに100点じゃないと無視された。


だから人並みの子供時代がなかった。


精神年齢が異様に高い子供だった。

 


人は10代の時に手に入らなかったものを一生追い求めると言う。


だから私はいま、こんなにも子供に返りたいのだ。


テロメアもNMNも、健康で長生きするために研究している科学者がほとんどだ。

 


でも私は年齢なりの美しさも健康もどうでもいい。


10代に戻って違和感なく学校生活からやり直したいのだ。

 


ゲームみたいに何度もリセットして、色んな将来を目指して、夢いっぱいの学生を何度も何度もやりたいのだ。


一つしか進路が決められないから、おばあちゃんの希望で数学科に行ったけど、本当は美大にも行きたかったし、建築家にもなりたかったし、女優も目指したかったし、医者にも漫画家にもなりたかった。


身体も軽くてぴょんぴょん飛び跳ねて、目も疲れないで何時間も読書出来た10代に、どうしてもどうしても戻りたいのだ。

 

だから必死に方法を探している。


テロメアだけじゃ不十分だけど、当面はテロメアとNMNで25歳までは戻れる確信があるから、そこからさらに10歳マイナスする方法を、世界中、資金と人脈を駆使して探している。

 


見つけたらたぶん消える。


もし私が突然消えたら、おそらく10代になって異国で学校に通っているだろう。

 

(ここまで)

 

 

これは彼女が書いた文章の一部ですが、まさに私と同じような特徴が表れていて、決して他人とは思えませんでした。

 

Tさんとは今でも交流があり、凄くお世話になっている先輩なのですが、彼女も私と同じく非常に厳しい母親に育てられた一人です。

 

 

Tさんも自分なりに母親の呪縛から逃れようと必死にもがき、自らの人生を構築してきましたが、子供の頃に埋め込まれた親の呪いはあまりにも強烈で、どんどんおかしな方向に進んでいきました。

 

Tさんは結婚していますが、旦那さんとはずっと別居状態。

 

 

子供が2人いますが、2人の子供も全寮制の学校に入れて、Tさんはドバイで一人暮らしをしています。

 

誰かと一緒に暮らすのは無理。

いつも一人でいたい。

 

そう言っています。

 

 

 

一人が好き。

誰かと暮らすことが難しい。

 

凄くわかります。

 

 

そしてTさんは、子供時代に子供らしく生きられなかったから、もう一度人生をやり直したいと言って、真剣にテロメアの研究をして、若返ることで失った子供時代を取り戻そうとしています。

 

 

この一部の文章のシェアだけでは、Tさんの人格はあまり伝わらないと思いますが、普段接していて私と同じだなと思った特徴を書くと、

 

・母親の異常な厳しさにより、自分を抑圧することでしか生きてこれなかった

 

・母親から温かい愛情をもらったことが一度もない

 

・母親から褒めてもらったことが一度もない(ずっと否定されて育った)

 

・数字やデータなど人間的要素が介入しないものに熱中する

 

・一貫して孤独が好き

 

・基本的に他人に無関心

 

・常に超然としていて感情をほとんど表に出さない

 

・神様など完璧な存在になりたいと願う、または異常なほどに万能感に憧れる

 

など。

 

(もう特徴は完全にスキゾイドそのものですね)

 

 

Tさんは、この世に自分の知らないことがあるのが許せない。

 

だから世界中にある本を全部読みたいとも言っていました。

 

 

他にも共通点は多々ありますが、母親に過度に厳しくされたことにより背負ってしまった人格の歪みがとても似ているのです。

 

 

私の場合は、母親が娘をこういう人間に育てたいという完璧な理想像があって、それを達成するためだったら、どんな手も使うという感じだったので、教育に関しては一切ブレないという感じでした。

 

こうと決めたら一切融通が利かない母だったし、子供の意見は完全に無視。

 


私からすれば、それは厳しさではなく、もはや蹂躙行為だったと今では思っているのですが、でも母親からすれば何としても自分の子供を立派に育てあげねばならない。

 

 

そこに一切の妥協は許されない。

だから、お母さんも必死だった。

 

それは、彼女の話を聞く限り、Tさんのお母さんも同じだったと思うのです。

 

 

そこで思うのが、今回のブログタイトルにも書いた「母親の厳しさは、果たして負の遺産になるのか」という問いです。

 

残念ながら、私はスキゾイドを研究している過程で、自分と同じような育ち方をした人で、本当に幸せそうに生きている人を見たことがありません。

 

 

それどころか、歳を経るごとに自分の中に埋め込まれた親の呪縛がどんどん大きくなっていき、晩年になるほどおかしくなっている。


そういう結果を見て、「お母さんの育て方は、決して子供が幸せになる育て方ではなかったのではないか。」と今では思っています。

 

これは凄く難しい問題です。

 

でも、みんな幸せになっていないんです。

 

 

一見成功しているように見えても、目が笑っていない。

 

いつも悲しそうな目をしているんです。

 

 

親に愛情を注がれなかった人特有のあの悲しそうな目。

 

そうして抑圧された子供に、もはや力などないので、みんな真剣に自分の人生を取り戻そうとはしません。

 

 

だから私がやってるんです。

 

たった一人でも親の呪縛を乗り越えて幸せになったその事例を見せている人がいたら、勇気をもらいませんか?

 

 

悲しいほどに親に服従しなければならなかった従順な羊の物語。

 

いずれこれを完成させます。絶対に。